INTERVIEW Vol.02 / スタイリストのその先へ

aika

AIKA FUNAHASHI

FASHION STYLIST

Q. どうしてスタイリストになったの?

5歳年上の姉の影響で小学生の頃からファッションが大好き、姉の買い物に付いて行って常にトレンドを追いかけていました。性格は目立ちたがり屋で凄くませていたと思います。なのでファッションや流行に関して詳しかったので、よく友達のデート服を選んであげていました。その頃から“服を選んであげて、喜んでもらえること”が好きでした。

高校2年の時に具体的にやりたいことがなくモヤモヤしていたある日、TVで倖田來未さんのドキュメンタリーを見て“スタイリスト”という職業を知りました。

「これだ!!!」と見た瞬間ピンときたのを今でも覚えています。

小学生の頃から安室奈美恵さんの大ファンで、芸能・エンターテイメントがとにかく大好き。スタイリストになれば芸能に関われるし、飽き性な私は毎日違う現場に行くあの忙しそうな感じも好きでした。なので「私は絶対スタイリストになる!」と決めました。

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夢を叶えることを諦めない

Q.どうやってスタイリストになったの?

スタイリストを目指すなら東京しかないと思い、東京のスタイリスト科のある専門学校に通い始めました。人も場所も学ぶことも何もかも違う世界、全てが新鮮でなんでも楽しかったのを覚えています。

就活の時期がきて、当時の私はスタイリストを目指すなら誰かに弟子入りするしか方法はないと思っていました。

なので色々なスタイリストさんの作品を調べて、ピンときた人がスタイリスト“岸本怜子”(以下、岸本)でした。岸本の作品には他の誰とも違う「静止画なのに今にも動き出しそうな写真」と「鮮やかな色づかい」が特徴的でした。これは今も私のスタイリストとしての根源になっています。

ちょうどその頃運良く学校に岸本からアシスタント募集がきていて、すぐ面接をしてもらいアシスタント生活がスタートしました。

アシスタント時代を振り返ると、家に帰る時はいつも明るかったし、暗い時に帰れる方が早いと感じていました。最高5日間お風呂に入れない時、今ではいい思い出です。笑

それに普段いい服ばっかり見ているのに、自分では全く買えませんでした。

そんな中でも母親に教わった言葉、
「夢を叶えることを諦めないことだ」
この言葉があったからやってこれたのだと思います。

アシスタントをスタートしてから約3年半、岸本が海外に拠点を移すのをきっかけにスタイリストとして独立しました。アシスタント時代に厳しく指導していただいたことが自信になり、正直不安な気持ちはなくワクワくしていました。

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目標を失って頑張れなくなっていた

Q. スタイリストという夢が叶ってどうだった?

独立一発目の仕事は「DIANAの広告」「工藤静香さん」「相川七瀬さん」とのお仕事でした。
23才独立したての私にとっては死ぬほど緊張する現場で、私が若過ぎることもありとても苦労しました。スタイリストは現場が全て、どう対応して、どう関係を作り、どう信頼を得るのか、結局最後はスキルよりも“人間性”なんだと痛感しました。その点岸本は現場での立ち回りや空気作りはカリスマ的でしたね。

それでも半年も経つと仕事に慣れていました。
スタイリストとして独立してからは仕事が途切れることなく、最初は嬉しかったけど徐々に感謝は薄れていき「どうせまた私に来るでしょ」と天狗になりかけていました。

このままいくとなんでも周りがやってくれて現場のみんなが気を使う「偉そうな人間」になってしまう・・・目の前に仕事があることに感謝できなくなっていました。

きっとスタイリストという夢が叶って目標を失い、頑張れなくなっていたんだと思います。

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人との出会いで新しい道が拓けた

Q. それをどう乗り越えたの?
 

それは人との出会いですね。
ちょうど独立して1年した頃に弊社(以下、AG)の創業者でもある会長と出会うきっかけがあり、今後のビジョンやTEAM COLORSの構想を聞きました。

当時の私は誰からも怒られることもなくなり、目標を失っていました。
そんな中、自分が止まっている理由を見抜かれて、会長の話を聞いていく中で、言ってくれる人のありがたみやどうやって自分の可能性を広げるか?どこに向かえばいいか?新しい道が拓けていく思いでした。

それに私自身ずっとチームで仕事をすることに憧れていていました。スタイリスト自体個人だし、アシスタント時代の孤独との戦いを経験していたからだと思います。

私にはないものがAGにはあって、新しい目標が見つかり、私はまだ成長できると確信したこと、それにAGみんなの人柄にヒットし、みんなと一緒に仕事がしたいと心から思いました。正直その時はジャンルはなんでもよかった、とにかくワクワクしていて、新しいことに挑戦する私の第2章が始まった感じでした。

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次世代のアーティストに渡す道を作る

Q. TEAM COLORSは何をしているの?
 

今はっきり言える事は、きっと私が想像する以上にすごい力を持っていて、まだ完成はしていないという事です。

時代の流れの中で業界的にも変化が求められていると感じています。

そもそもスタイリストという職業は今の50、60代の方々が作り上げました。そこがトップであり今も現場で働いています。つまり若い世代にチャンスが降りてきにくい状態で、違う切り口を見つけないと可能性が少ないのが現状です。

また今の世代は一つの職業にこだわらない、多様な生き方を知っています。より多くの情報を知っていて頭がいい分、メンタルが弱い、だから昔ながらの体育会系のやり方は避ける人がほとんど。努力した先にそれに見合った物がないことを悟っているのかもしれません。

撮影現場でAIKAがフィッティングをする様子

撮影現場でAIKAがフィッティングをする様子

だから、スタイリストになりたい人が減っていて、アシスタントを探しても見つからない状態。その証拠に専門学校でスタイリスト科がなくなってきています。辛い、稼げない、食えないというイメージが満映し、従来のやり方を変えていかないといつか廃れてしまうのかもしれません。

私たちの世代は業界で体感してきた「痛み」も「価値」もわかっている。
上も下の世代の気持ちも経験して来た私たちだからこそ「こうあればいいのではないか?」がわかります。だから業界に貢献できるものを残せるのではないか思っています。

なので今TEAM COLORSは次の世代のアーティストたちに渡していける道を作る為に、「チームで行う現場での仕事」「スキルを教える仕事」「アーティストの育成」など新しい形を作っています。

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受けた恩は返すのではなく、次の世代に託す

Q. アーティスト育成はなぜするの?

スタイリストも美容師もそうですが「独立」となると育てたのに独立してライバルになる、さらにはお客さんを取られたりすることもある。

TEAM COLORSは後輩が私たちのやってきたことを引き継いで、チームを大きくしてくれる、それをまた次の世代に受け継いでいくという流れの中で育成をしています。

私の経験の中で絶対に必要だったこと、不必要だった事があります。その無駄を省いて教えて、浮いた時間やパワーをチームの為に使う、そうするとまた可能性広がる。

それが自分が受け取ってきたことに対する恩返しなのだと思います。

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後輩が自分の答え

Q. 後輩とはどんな関係なの?

私は後輩を業界飲みに連れて行くのですが、いつもみんな驚きます。
なぜかというと、“師匠が弟子を飲みに連れて行くこと”は業界的に見てあまりないからです。

師匠が飲んでいる時は弟子は作業。
自分の仕事を取られたくないという思いもきっとあると思います。

TEAM COLORSの場合は友達みたいに入ってくるからみんなビックリ。
「本当に優しいんですね・・・」なんて言われますね。笑

基本は仲良くていい、もちろんプライベートも。その分仕事はしっかり教える。

自分の後輩が自分の答えだと思っています。
だから後輩が成長し、周りから信頼を得ていれば嬉しいし、お叱りを受ける事があれば自分の責任だと思います。
どんな時も矢印は自分に向ける。この考えはAGで学んだ大事にしていることの一つです。

aika

これから先必要なのは応用が効く考え方

Q. なぜそんなに色々できるの?

スキル1つで生きて行くのはこれから先どんどん難しくなっていくはずです。だからみんな色々なものに手を出し始めます。ブランドプロデュースに関わってみたり、アドバイザーをやったり。みんな模索して道を作ろうとする、これはどの職業も同じだと思います。

これから先は、「結局なんの仕事につけばいいのか?」ということではなく、その人自身の実力が試される時代になっていくと思います。
AGには“経営”や“考え方”を学ぶ環境があり、まずはそこからスタートします。人間力や物事を形にする力を、実学を通して学んでいきます。

“応用が効く考え方”を学ぶので、スタイリストに限らず指導することや育成すること、新規事業を作ることなど幅広く応用ができます。それに同じ環境に仲間がいるから、形にするスピードも一人でやるより圧倒的に早い、これもチームの強みです。

t.f.a club house

関わるみんなが安心できるものを作りたい

Q. 今後のビションを教えてください

毎年AGグループでハワイで海外研修を行なっているのですが、自分のイメージの中で30人以上のアーティストチームがいる、そんなイメージをしています。
そのぐらい多くの後輩を育てて、業界に貢献できるものを残したいなと思います。

またCOLORS LOUNGEに通うメンバーのみんなや、業界でお世話になっているクライアントの方々、AGのみんな、これから入ってくる後輩たちが安心できる存在になりたいと思っています。

ですが、どんなに大きな組織なってもAGの一番の良さ、「“人間味”と”暖かさ”、“アナログのつながり感”は絶対に残したい!」そう思います。

その為に今は自分の器を広げていこうと思います。


AIKA FUNAHASHI / FASHION STYLIST

Profile

愛知県出身。2010年 バンタンデザイン研究所卒業後、岸本怜子に師事。23歳でフリーランスとして独立し、バイタリティあふれるその姿勢で、多くのレギュラーを持つ。オリンパスやバドワイザーなどの世界的な名だたる企業の広告映像を担当するなど、活躍の場を世界に広げつつある。27歳で自身の著書「背が低めな人のための大人服」(誠文堂新光社)を出版している。
Harley-Davidson

愛車はXL1200X Forty-Eight (Harley-Davidson) / T.F.A CUSTOM

AGグループの中でも仲間と認められた人しか所属できないT.F.A MOTOR CYCLE CLUBのメンバーでもある。

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